人口の増加と医療費

世界的に見て、ヘルスケア市場は以下に示すような人口推移と医療動向の影響を受けています。

  • 人口の増加と高齢化:米国国勢調査局の予測によると、米国の 「ベビーブーム」 世代 (米国の総人口の28 %) の大部分が、2010 年から 2020 年の間に 65 歳を迎えることになります。
  • 先進国および途上国の両方で、ヘルスケアの向上に対する消費者の期待が増大しています。
  • 保険会社や雇用者による医療費の払い戻しや補償範囲が縮小傾向にあり、顧客/患者はより多くの費用を負担しなければなりません。
  • テクノロジーの進化が新しい臨床治療法を生み出し、それによってより多くの疾病に関わる問題を解決し、早期診断と予防を促進しています。

図 1 に示すように、1 人あたりの医療費は世界的に大幅に増加しています。米国では、1 人あたりの医療費が 1960 年の 144 ドルから 1999 年には約 4,400 ドルまで増加しました。2008 年にはこの数字が 7,500 ドルに達するものと予測されています。このような数字から医療機器業者は、医療市場で成功するには米国に焦点を当て、米国で成功する必要があると考えています。

 

図 1:世界的に増加している 1 人あたりの医療費

 

テクノロジーの進化によるヘルスケアの効率向上

今後 10 年間でヘルスケア市場の中心となるのは、早期診断と、さまざまな場所からアクセス可能な患者情報のデジタル化、およびヘルスケアの効率向上に寄与する「トータル・ソリューション」の提供であると考えられます。

新たな診断技術の登場によって、早期診断と予防が可能になります。例えば、PET (ポジトロン断層撮影法) を使用すると、非常に高い精度でさまざまな種類のガンを検出できます。

また、新たな傾向として病院の 「ペーパーレス化」 があります。患者の記録をデジタル化することにより、医師がどこにいてもその情報にアクセスすることができます。デジタル化された病院では X 線装置もデジタル化されていて、画像をすぐに入手できるので、医療サービス提供者は X 線写真が検査室から戻ってくるのを何日も待つ必要はありません。

病院は、個別対応の単独リューションを購入する方式から、相互運用が可能でユーザー・インタフェースも統一されている機器をさまざまなベンダから購入する方式へと移行しつつあります。病院では、患者情報 (CT スキャン、X 線、PET スキャンなど) を提供するすべての診断機器を接続する内部ネットワークが開発されています。このため医療機器ベンダは、ユーザー・インタフェースが統一された相互運用可能な機器の開発に力を入れています。実際、ベンダは診断装置だけでなくストレージ・サーバーやインターフェイス・ソフトウェアも含む完全なソリューションの販売に着手しています。このような傾向のすべてがヘルスケアの効率向上につながっています。

すなわち、より多くの患者がヘルスケア・システムを利用し、より高品質で高速の診断装置を使用することにより早期診断、早期治療が可能になるのです。ペーパーレス・ホスピタルが実現すれば、検査結果や患者の記録に即時にアクセスできるので、効率が大幅に向上します。

 

プログラマブル・ロジックの優位性

医療機器の大部分には、何らかの形で半導体が組み込まれています。多くの医療機器に組み込まれる半導体部品は、年々増え続けています。その中でも、他の半導体と比べて急速な伸びを示しているのがプログラマブル・ロジック・デバイス (PLD) です。これは、PLD が医療機器開発において有望かつ強力なデバイスであり、ASIC および ASSP の代替デバイスであるからです。PLD は、ASIC に不可欠な前払いの NRE 費用や最小発注数量がなく、再プログラム可能な特性により、複数シリコンでのデザインの繰り返しによるコスト上昇のリスクを軽減します。ASSP と比較して、PLD はデザインの柔軟性が高く、ボード統合が可能なので、競合する医療機器メーカーの製品に対して製品の差別化を図ることができます。さらに、PLD は標準の進化や要求条件の変更に応じてフィールドでのアップグレードが可能です。また、共通プラットフォームを再使用することが可能なため、設計者は 1 つの基本的なデザインでさまざまな機能群をサポートする差別化されたシステムを構築することができ、製造コストも低減されます。CT 装置や患者のモニタリング装置を設計する場合も、プログラマブル・ロジックはシステム・デザインを成功させるための柔軟性に優れた低リスクの手段であり、他の医療機器メーカーの製品と比較して、付加価値の高い機能と最適なコスト効率を提供できます。

PLD はライフサイクルが非常に長く、製品の陳腐化から顧客を保護します。医療業界では製品寿命が長いので、これは重要な利点です。

 

プログラマブル・ロジックのメディカル・アプリケーション

プログラマブル・ロジックを使用することにより、医療分野における多数のアプリケーション用に最先端機器をコスト効率よく開発することができます。

 

インテル® FPGA 製品がもたらすメリット

インテルは、医療用電子機器メーカーに強い競争力を提供します。インテルのソリューションは、現在世界中のさまざまな医療用最終アプリケーションで使用されており、最適化された IP (Intellectual Property) コア、ハード・マイクロプロセッサおよびソフト・マイクロプロセッサ、強力なデザイン・ソフトウェア、および各種開発キットを広範囲のプログラマブル・ロジック・デバイス (PLD) と組み合わせて、完全な使いやすいデザイン・プラットフォームを作成します。Stratix® ファミリー、Stratix GXCyclone® II FPGA ファミリなどのアルテラ PLD は、ロジックの豊富な機能セット、メモリ、専用デジタル信号処理 (DSP) ブロック、および標準 I/O 規格のサポートを備えており、競争が厳しい医療機器市場で成功を勝ち取るために必要なすべてのツールを医療機器設計者に提供します。

インテル® F{GA は、医療機器メーカーに柔軟でコスト効果が高く、陳腐化の問題がない成功のための手段を提供します。インテルが医療機器メーカーに提供するメリットは次のとおりです。

 

  • ASIC の高価な NRE と最小発注数量の回避によるコストの削減
  • 期間が長くリスクの高い ASIC 開発サイクルの回避による 「Time-to-Market」 の短縮
  • 複数の ASSP ファンクションを FPGA に統合することによるコスト削減と製品の差別化
  • デザイン・プロセス中および製品化後にフィールドでも再プログラム可能
  • 1つの基本デザインを用いた各種システムに対し1つのハードウェア・プラットフォームの再使用が可能
  • 複数の業界標準およびプロトコルへの適合性

 

IP (Intellectual Property)

インテル® FPGA 製品に対して最適化された標準 IP コアにより、エンジニアリング・コストを削減し、「Time-to-Market」を短縮できます。標準インタフェースおよび IP (Intellectual Property) コアは、インテルまたは認定された AMPP (Altera Megafunction Partners Program) パートナーから入手可能です。ライセンス供与を受ける前に、OpenCore® 評価機能により、ユーザーは  MegaCore® ファンクションと AMPP メガファンクションを無償で評価することができます。

インテルは MegaCore ファンクションのデザイン、サポート、および販売を行っています。すべての MegaCore ファンクションは、インテルの FPGA で高い性能を低コストを実現するように、厳密にテストされ最適化されています。

 

開発キット

インテルおよびインテルのパートナーは、SOPC (system-on-a-programmable-chip) デザインの開発と検証をサポートするさまざまな 開発キット を提供しています。