Industry 4.0 対応 PLC の構築

ファクトリ・コントロール・ネットワークの心臓部にはプログラマブル・ロジック・コントローラ (PLC) が使用されています。これは、ファクトリ・コントロール・ソフトウェアをマスタ通信プロトコル・スタックとともに実行するアプリケーション・プロセッサの周辺に構築されます。PLC アーキテクチャには、プロセッサのほかに複数の専用ペリフェラル、バックプレーン、およびカスタム・インタフェースへのサポートが必要とされ、通常これらは FPGA で実装されます。

アルテラの SoC は、アプリケーション・プロセッサと FPGA の両方を 1 つのデバイスに実装できる独自のプラットフォームを提供します。

アルテラ SoC による PLC オンチップの実現

プロセッサ、FPGA、およびペリフェラルなどその他の必要な機能をアルテラ SoC に統合することによって、消費電力、コスト、およびボード・スペースの削減が可能になります。アルテラは、シングルチップ上にヒューマン・マシン・インタフェース (HMI) デザインを統合した完全な PLC の開発を迅速化するために、以下の企業と協力しました。

  • 3S-Smart Software Solutions GmbH 社:主要な PLC ソフトウェア開発会社
  • EXOR International 社:HMI 開発におけるリーダー
  • Barco-Silex 社:セキュリティおよび暗号化 IP (Intellectual Property) におけるリーダー


その結果実現したソリューションは、FPGA ファブリックでの SSL 暗号化 (プロセッサ・ベースの実装と比較して最大 4 倍高速) を含め、HMI およびOPC-UA によるセキュアなエンタープライズ接続を統合した PLC のシングルチップ実装です。

 

アルテラ SoC にシングルチップ実装した PLC

アルテラ SoC:

  • SoC のデュアルコア ARM® Cortex™-A9 を同期マルチプロセッシング (SMP) または 非同期マルチプロセッシング (AMP) モードで使用して、PLC アプリケーション・ソフトウェア、イーサネット・マスタ・プロトコル・スタック、およびモーション・コントロール・ソフトウェアを実行
  • SoC のハード・プロセッサ・システム (HPS) によって、USB、CAN、イーサネット、タイマ、UART などの多くのペリフェラルを実装
  • FPGA ファブリックを使用して、マルチポート・イーサネット・スイッチや TCP/IP オフロードなどの専用ペリフェラルを実装
  • ヒューマン・マシン・インタフェース (HMI) を FPGA ファブリックに実装
  • OPC-UA によってエンタープライズ接続する IoT クラウド・サーバーを SoC に実装
  • Open SSL 暗号化アクセラレーション・エンジンを FPGA ファブリックに実装


Industry 4.0 向けクラウド対応シングルチップ PLC

現在の PLC デザインでは、簡単な操作・保守、オペレータ・トレーニング、情報の可用性、および安全性を実現するために、タッチスクリーンによる 3D GUI (Graphical User Interface) をはじめとするリッチなヒューマン・マシン・インタフェース (HMI) が広く普及しています。HMI を別のアプリケーション・プロセッサでデザインすることは、部品コストの面で不利であるほか、チップ間データ通信の面でも無駄があり、HMI プロセッサと PLC プロセッサ間の遅延やレイテンシの増加につながります。SoC のハード・プロセッサ・システム (HPS) を使用すれば、これらの問題を軽減できますが、高性能グラフィックスの実行に必要なプロセッサ・サイクルの点で無駄があります。

FPGA ファブリックに HMI を実装してハード・プロセッサ・システムをオフロード

アルテラの HMI ソリューションは、ハード・プロセッサ・システムではなく FPGA ファブリックを利用します。このアプローチでは、HMI を PLC と同じ SoC に統合できることに加え、グラフィック・アクセラレーションおよびタッチスクリーン機能をすべて FPGA ファブリック内で実行することにより、HPS が HMI 関連のグラフィックス演算から解放されます。

CODESYS 統合によるドラッグ・アンド・ドロップ・シンボル・ライブラリ

アルテラの HMI ソリューションは、Exor International 社のアルテラ Cyclone V SoC 用 JMobile Studio Graphics Editor の形で 3S Software 社の CODESYS PLC と直接統合し、ドラッグ・アンド・ドロップ HMI を実現する広範なシンボル・ライブラリを提供します。それにより、効率的な情報表現に効果的なグラフィック・インタフェースを構築し、統合された CODESYS PLC と HMI によるプロセス制御アプリケーションの開発を容易にします。

特に、FPGA ファブリックに実装されたアルテラ HMI ソリューションは、以下の機能をサポートしています。

  • アクティブ・マトリックス・ディスプレイ・リフレッシュ (TFT、プラズマ、AMOLED)
  • ディスプレイ・パワーアップ・シーケンス制御
  • 32x32 ~ 8192x4096 のディスプレイ解像度、最大 16,777,216 色
  • 8/16/24 ビット・データ出力
  • 複数のフレーム・バッファ
  • 内部ピクセル・クロック・ジェネレータ
  • RGB8、RGB16、RGB32、ARGB32 フレーム・バッファ・フォーマット
  • マルチレイヤ・ウィンドウおよびオーバーレイ画像アセンブリ
  • レイヤ単位の可変フレーム・バッファ・ジオメトリ
  • カラーキー透過による標準オーバーレイ
  • レイヤ単位のフェーディングによるアルファ・ブレンディング
  • アルファ・マスク・レイヤ・サポート
  • バックライト制御および調光

OPC は、産業用オートメーション分野およびその他の業界におけるセキュアで確実なデータ交換のための相互運用性規格です。プラットフォームに依存せず、異なるベンダのデバイス間のシームレスな情報フローを保証します。この規格の策定と管理は OPC Foundation が行っています。2008 年に公開された OPC Unified Architecture (UA) は、各 OPC Classic 仕様の全機能を 1 つの拡張可能なフレームワークに統合したプラットフォーム独立のサービス指向アーキテクチャです。

アルテラ・パートナーである Exor International 社のアルテラ・シングルチップ PLC デザインは、PLC、HMI、ゲートウェイ、およびクラウド・サーバーを 1 個のアルテラ Cyclone V SoC に統合し、OPC-UA によるセキュアなエンタープライズ通信に対応します。セキュリティと暗号化は、アルテラ・パートナーである Barco-Silex 社の暗号化アクセラレーション IP によって Open SSL で実現します。

アルテラ・パートナーである Barco-Silex 社の容易に統合可能なセキュリティ/暗号 IP コアにより、PLC アプリケーションにセキュリティを組み込むことが可能です。FPGA ファブリック・ベースの実装によって優れた性能とセキュリティが実現すると同時に、スケーラブルな IP コア・フットプリントによってニーズに応じたカスタマイズが可能です。

BARCO Security SoC Solution for Cyclone V SoC は、以下の機能を提供します。

  • カスタム OS またはベアメタル・プログラミング用 API
  • Linux カーネル・ドライバ
  • OpenSSL 統合
  • ハードウェア・アクセラレーション
  • 対称鍵:AES、SHA、DES
  • 公開鍵:RSA、ECC
  • 真の乱数発生器
  • 容易な統合のための AXI インタフェース

アルテラの FPGA ファブリック・ベースのセキュリティ IP 実装は、プロセッサ・ベースの暗号化と比較して最大 4 倍の性能向上を実現し、セキュアな M2M およびエンタープライズ通信の帯域幅利用を大幅に効率化します。