モバイルデバイスとしても知られているポータブル・アプリケーションには、携帯電話、スマートフォン、モバイル・インターネット・デバイス、ポータブル・メディアプレーヤー、電子玩具/ゲーム、ポータブル・ナビゲーター、及びデジタルカメラ/ビデオカメラなどの消費者向けの多種のハンドヘルド機器があります。 2008年の終わりに景気の低迷にもかかわらず、業界アナリストは、モバイル機器や家電の需要が上昇し続けると予測しています。モバイルデバイスの最大の成長分野は、モバイル・インターネット・デバイス、スマートフォン、ポータブル・ナビゲーションになります。

このような市場動向に対応するために、インテルは、低消費電力、低コストのハンドヘルド・デバイスをターゲットに、MAX® II Z CPLDを発表しました。他の市場とは異なりは、ポータブル・アプリケーションは、(バッテリー寿命延長のための)低消費電力、低コスト(通常は2ドル以下)、および小型パッケージ(例えば5×5のように1mm以下)を有するシリコン・ソリューションを必要とします。その携帯機器の市場要件を念頭に置いて設計された、インテルの MAX® II Zデバイスは、スタンバイモード時にほぼゼロ、多容量時で2ドル以下のコスト消費で、非常に小さなパッケージサイズにまとめられており、(デバイスのパッケージオプションの最小サイズは5×5ミリメートル未満)市場で最も魅力的なCPLDのソリューションの一つとなっています。

低い消費電力、低コスト、および小型パッケージという機能の利点を生かし、システム・プロセッサーの消費電力やシステムのブートアップ・シーケンスの管理を支援する ASSP や ASIC のコンパニオン・デバイスとしてMAX® II Z デバイスを使用することができます。他の典型的な用途は、I/O拡張、電圧レベルシフト、静電容量式タッチセンサー、タッチスクリーン・エンコーダー、キーボードデコーダー、カラーLEDドライバー、割り込み処理、またはデータ処理が挙げられます。MAX® II Z デバイスのみが提供できるユニークな機能により、ユーザーは(最大8バイトまで)の内部ユーザー・フラッシュ・メモリーにセキュリティー・コードを書くことができます。図1は、ポータブル・アプリケーションにおけるMAX® II Z CPLDの一般的な使用例を示しています。

図1. ポータブル・アプリケーションにおけるMAX® II Z CPLDの一般的な使用例

システムの消費電力管理

図2は、MAX® IIZ CPLDのポータブル機器のシステム電源管理例を示しています。この例では、MAX® IIZデバイスは、高速システムのブートアップに60マイクロ秒かかり、(29uA)最小のスタンバイ電流で、システムの消費電力を低減します。また I/ O電圧変動(1.5V、1.8V、2.5V、3.3V)の広い範囲で、3つの電圧レベルシフターとして機能することができます。小型パッケージのため、高いシステム統合が可能となり、プログラマビリティーのおかげでデザインに臨機応変の変更を行うことができます。MAX® II & MAX® IIZ CPLD デザイン例のWebページ上でより多くのポータブル・アプリケーションにおけるMAX® IIZデバイスの使用例をご覧いただけます。

図2. MAX® IIZ デバイスによるシステムの電源管理

タッチスクリーン・ディスプレイ

グラフィカルLCDタッチスクリーンは、多くのポータブル・アプリケーションで徐々に機械的な押しボタンを置き換え、より現代的な、洗練されたヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)するため、益々主要になりつつあります。最新のタッチ技術では Apple の iPhone のように、オブジェクトを操作するために2本の指を使用することができるような「マルチタッチ」が利用されています。ASSP、MCU、または他の競合技術と異なり、MAX® IIZ CPLDは、高いI/ O数、使いやすさ、低消費電力、低コスト、小型パッケージ、およびポータブルデバイス用の単一またはマルチタッチ・ディスプレイを実装するために必要な柔軟性を提供します。図3は、マルチタッチ設計のための2チップ・ソリューションを示しています。アナログデバイスAD7142は容量デジタル・コンバーターおよびMAX® IIZ EPM240Z CPLDを統合し、二次元のITOガラスやフィルムを処理するために、AD7142の能力を拡大しています。

 

図3. MAX® IIZ デバイスによるLCDタッチスクリーン・ディスプレイ

スマートフォンやモバイル・インターネット・デバイス

MAX® IIZ デバイスに加えて、インテルは MAX® II および MAX® IIG CPLD 製品、また Cyclone® III FPGA を含む低コストの Cyclone® FPGA ファミリーを提供しています。不揮発性 CPLD と異なり、FPGA は、例えば、信号処理、画像強調、または、システムの CPU のようにデジタル信号処理(DSP)機能を行うことを可能にする RAM を内臓しています。

 

図 4. スマートフォンやモバイル・インターネット・デバイスでの FPGA の使用例

ポータブル・メディア・プレーヤー

一般的なポータブル・メディア・プレーヤー・システム(図 5)では、中央の機能ブロックが画像処理コントローラーです。画層処理コントローラーに必要な基本的な機能は、通常デジタル信号プロセッサーまたは ASIC/ASSP に実装できますが、メーカーの製品差別化戦略の下で、機能を強化するためにコンパニオン PLD が搭載されている場合がよくあります。ベース・プラットフォームで提供されていない最新機能を追加するときには、ピン数が多くプログラム機能を備えた CPLD は、データ・フォーマット間でインターフェイスをブリッジしたり、IO 拡張を行うのに最適なデバイスです。

また、CPLD は従来ではボードレベルのパワー・マネージメント、電圧レベルシフト、および DSP コンフィグレーション機能にも使用されてきました。ポータブルシステムの場合、CPLD はシステム内の未使用 IC をシャットダウンして、システムバッテリーの寿命を延長します。

さらに、CPLD は本質的に不揮発性なので、コンテンツ、ユーザー固有の情報、および IP(intellectual property)を保護するためのセキュリティー機能を実装することができます。

図 5. ポータブル・メディア・プレーヤーにおけるCPLD 使用例

知育玩具

ポータブル知育玩具は、子供が遊びながら学習できる知育玩具です。「遊ぶだけでなく学ぶこともできる玩具を。」という保護者の声が根強く、このような玩具に対する需要が高まっています。

一般的な知育玩具システム(図 2)では、中央機能ブロックは信号調整コントローラーです。信号調整コントローラーは、外部センサーからの入力に基づくモーターの位置調整、画像の処理およびディスプレイ・パネルへのロード、オーディオトーン合成などのオーディオ処理機能の処理、および外部オーディオソースの管理を実行します。これら 3つの機能は最終製品のシステム仕様としては独自なもののため、CPLD 実装により、デザイン柔軟性の向上、低リスク、および最短「Time-to-Market」などの複合的な利点をもたらすことができます。

ポータブル・メディア・プレーヤー・アプリケーション同様、CPLD はインターフェイス・ブリッジング、I/O 拡張、パワー・マネージメント、電圧レベルシフト、 デジタル信号処理(DSP)コンフィグレーション、およびクロック生成機能に最適です。

図 6. 知育玩具システムのブロック図