ストレージ市場は成長を続け、保存されたデータの移動、管理、保護には新たな機能が求められています。仮想化、データ保護、データ・セキュリティー (暗号化)、データ圧縮などのストレージ処理機能は、ストレージ容量を拡大するうえで不可欠です。さらに、ストレージ・ソリューションは、シリアル相互接続への動きを継続しつつ、PCIe 対応不揮発性メモリー Express (NVMe) の迅速な採用を進めています。ストレージプロトコルの分野では、ファイバーチャネル、シリアルアタッチド SCSI (SAS)、シリアル ATA (SATA)、NVMe などのプロトコルが主流です。

機能強化においては、少ない労力でより多くの成果を挙げることが求められます。SoC ソリューションでは、複数の機能を 1 つのシリコン・ソリューションに統合できます。インテルとパートナーの Intellectual Property (IP) ソリューションに加え、インテル® FPGA の高速トランシーバー、高集積ロジック、深層メモリーの組み合わせにより、最適な SoC ストレージ・ソリューションを簡単に作成できます。インテルのストレージ・ソリューションは、オンライン、ニアライン、オフラインの各ストレージをサポートします。

データセンターでは、サーバー・アプリケーションのリアルタイムのデータ・トランザクションを実行するために、常にオンラインストレージを使用しています。オンラインストレージは、ディスクドライブ・ベースのストレージであり、サーバー内に存在するか、サーバーに (直接またはファブリック) 接続されています。直接接続型ストレージには、ストレージに接続されたサーバーだけがアクセスできます。ファブリック接続型ストレージでは、ファブリックに接続されたすべてのサーバーが利用可能なストレージリソースを共有できます。複数のサーバーが共有するストレージは、一般にストレージ・エリア・ネットワーク (SAN) と呼ばれます。通常、SAN のプロトコルは、ファイバーチャネル、SCSI、またはイーサネット (ネットワーク接続型ストレージ (NAS) エンクロージャーの場合) です。

Just a Bunch Of Disk (JBOD) やディスクアレイなどのオンライン・ストレージ・デバイスでは、ストレージへの高速アクセスが可能であると同時に、データ保護とセキュリティーも提供されます。ストレージへの高速アクセスは、ネットワーク、システムバス、ディスクドライブの各インターフェイスの高速 I/O によって実現されます。データ保護とセキュリティーは、データ保護と暗号化のための RAID などのアルゴリズムによって実現されます。

ニアラインストレージは、機能、パフォーマンス、デバイス要件などについては、オンラインストレージと同じです。ニアラインストレージは、通常、オンラインストレージのバックアップ・サポート用に導入されます。規制上の理由から、アーカイブしなければならない情報が増えているため、ニアラインストレージのニーズが急速に高まっています。大量のデータを迅速にバックアップする必要がありますが、テープベースのソリューションでは帯域幅速度が遅く、迅速なバックアップを実現できないことがあるため、多くの場合、ニアラインストレージがデータのバックアップに使用されます。ニアラインストレージは、より高速にアクセスする必要のある情報を保存するために、テープやテープ・ライブラリーではなく、SATA ドライブなどの低価格のディスクドライブを使用して構築されます。

ニアラインストレージの設計者は、設計時に次のような複数の要件を満たす必要があります。

  • インハウス I/O シーケンスと RAID アルゴリズムによる柔軟性
  • 保管時のデータの暗号化標準の変更
  • 特定の圧縮アルゴリズムの使用
  • 顧客の既存のバックアップ・ソフトウェアのテープ・エミュレーション

ニアラインストレージの主要ストレージベンダーのほとんどが、FPGA を使用してこれらの設計の課題に対処しています。インテルは、ニアラインストレージ設計のために、リファレンス・アーキテクチャーと社内およびパートナーの IP を提供しています。

オフラインストレージは一般に「アーカイブ」または「バックアップ」ストレージと呼ばれ、通常はテープドライブかローエンド・ディスクドライブ (仮想テープ) です。オフラインストレージは、オンライン・ストレージ・デバイスとニアライン・ストレージ・デバイスに保存されたデータのバックアップに使用され、データを長期間保存できるように設計されています。データがアーカイブされるため、オフライン・ストレージ・アプライアンスでは、データの精度、保護、セキュリティーが重視されます。

ストレージ・コントローラー・アーキテクチャーの新たな開発と、NAND デバイスの集積度と速度の継続的向上が、データセンターのパフォーマンスの向上を促進しています。一例として、大規模データセットで Apache Spark* を使用すると、Hadoop* クラスター内のアプリケーションを、メモリー内の最大 100 倍、ディスク上の最大 10 倍の速度で実行できます。NAND の性能と寿命を慎重に管理し、ストレージをプロセッサーの近くに移動することで、レイテンシーが削減され、一元化されたネットワーク・ベースのストレージに比べてパフォーマンスが向上します。アルゴリズム・アクセラレーション、データ修正、ネットワーク・アクセラレーション、NVM 制御を 1 つの柔軟な FPGA に統合すると、効率性、処理能力、速度が向上し、HPC システムやクラウド・コンピューティング・システムのデータフローが変革されます。

FPGA、IP、エコシステムのパートナーが連携して、オンライン/ニアライン/オフライン・ストレージ・ソリューションの開発に最適なソリューションを提供しています。インテル® Stratix® シリーズ、Arria®、Cyclone®、MAX® の各デバイスは、ストレージシステム設計者にとって有用な存在です。これらのプラットフォームにより、柔軟性の高いアプリケーションを低コストで迅速かつ効率的に開発できます。また、SAN/NAS アプライアンス向けの、スケーラブルで最適化されたアプリケーション中心の独自の処理ソリューションを作成できます。表 1 は、インテル® FPGA で提供されるストレージ機能を示しています。 

表1. FPGA のストレージ機能

カテゴリー ネットワーク / ファブリック I/O ストレージ I/O データ保護 データ・セキュリティー
AES タイプ キーの管理と認証
オンライン ファイバーチャネル
イーサネット
または
PCIe* Gen1/Gen2 から

ASSP またはスイッチ
シリアル SCSI
SAS

ファイバーチャネル
RAID 5、RAID 6 XTS-AES、AES-GCM 認証
SHA 1、SHA 256、SHA 384/512、MD5、マルチモード (SHA 1、SHA 2、MD5)、AES ベース (XCBC、OMAC)

キー暗号化
RSA と Diffie-Hellman (Mod.EXP)、真性乱数ジェネレーター (TRNG)、擬似乱数ジェネレーター (PRNG)
ニアライン ファイバーチャネル
イーサネット、PCIe*
SATA RAID 5、RAID 6 XTS-AES
オフライン ファイバーチャネル
イーサネット
ファイバーチャネル RAID 5、RAID 6 XTS-AES、AES-GCM、AES-CCM