今日のパワー・エレクトロニクスは、ほとんどがマイクロコントローラ (MCU) で制御されます。その主な理由は、MCU のコストが低く統合レベルが高いことです。MCU は一般に C 言語やアセンブリ言語でプログラムされていて、MCU の能力を超えない速度で順次実行されるアルゴリズムに最適です。しかし、高速化したサンプリング・レートと複雑化したアルゴリズムをアプリケーションが求めるようになるにつれ、従来の MCU ベースのシステム設計者は新しい課題に直面しています。

FPGA は、その速度、柔軟性、および統合デザイン・ツールによって高性能パワー・エレクトロニクス・コントロール・システムに受け入れられています。これらのデバイスは、その並列アーキテクチャと、ハードウェアで多くの複雑なアルゴリズムを同時処理する能力によって、可変電圧 DC/DC コンバータ (VVC) やモーター制御などの EV ドライブ・システム・アプリケーションに最適です。

 

FPGA は下記の利点を提供します。

  • 処理速度の向上:FPGA が持つプログラム可能なハードウェアでは、必要に応じてアルゴリズムの高速化と並列化が可能です。
  • インタフェースの柔軟なデザイン:例えば、並列 ADC インタフェースと PWM 出力を必要に応じて追加して新しいインバータ・トポロジをサポートします。
  • プログラミングの容易さ:主制御ループ・コードを C で保ち、ハードまたはソフトのプロセッサによって実行できます。ハードウェア・アクセラレーション用コードは、固定小数点または浮動小数点を使用し、C または MATLAB/Simulink で記述できます。
  • 統合の容易さ:必要に応じて、エンコーダ/レゾルバ、シグマ-デルタ ADC、および外部通信のためのインタフェースを FPGA ファブリック内に組み込むことができます。
  • コスト効率:部品点数の削減、開発の合理化、およびプラットフォームのアップデートが基板スペースに影響を与えることなく実現できます。

モデル・ベースのデザインによる、FPGA を使用した IPM モーター制御

アルテラは、モデルベースのデザイン (MBD) において、空間ベクトル変調アルゴリズムを使用したダイレクト・トルク・コントロール(DTFC-SVM) による、永久磁石内蔵型モーター (IPM) 制御のリファレンス・デザインを開発しました。シミュレーションの結果、フィールド指向制御 (FOC) アルゴリズムよりもトルク・リップルが大きく減少したことがわかりました。また、並列処理技法を使用した FPGA の高帯域幅制御ループをハードウェアに実装したため、MCU ベースの DTFC-SVM 制御よりはるかに優れた利点も持っています。

トルク・リップルの比較:

DTFC-SVM DSP Builder リファレンス・デザイン:

アルテラの DSP Builder ツールは、MathWorks Simulink デザイン・ブロックと、HDL コードの自動生成機能を提供します。また、システムのシミュレーションに使用したものと同じモデルをエンジニアが FPGA に直接実装できるため、デザイン・プロセスが簡素化されます。さらに、設計者は、パワー・エレクトロニクス・コンポーネントの豊富なライブラリを利用してテスト・ベンチやシステム・シミュレーション・モデルを構築できるようになります。

関連リンク

DSP Builder デザイン・フロー:

詳細については、「FPGA を活用した電気自動車およびハイブリッド電気自動車向けパワー・エレクトロニクスの制御」というタイトルのホワイトペーパーを関連リンクからダウンロードしてください。