高周波 DC/DC コンバータ リファレンス・デザイン

アルテラは迅速な開発を支援するため、Max10 FPGA評価キット向けに最適化したHEV/EV向け可変電圧制御(VVC)DC-DC コンバータのリファレンス・デザインを提供しています。 このアーキテクチャと理論の説明については、アルテラのホワイトペーパー 『FPGA-Based Control for Electric Vehicle and Hybrid Electric Vehicle Power Electronics(FPGA を活用した電気自動車およびハイブリッド電気自動車向けパワー・エレクトロニクスの制御/英語版・PDF)』 をご参照ください。

このリファレンス・デザインでは、Advanced DSP Builder を使用して制御回路のシミュレーションとVHDL合成を行います。 VHDL はその後、BeMicro MAX10 評価キット (Arrow Electronics 社) に書き込む事で動作します。

モデル・ベースのデザイン・フロー

  1. ご自身のアルゴリズムで開始できます。
  2. Matlab/Simulink モデルにアルゴリズムを適用します。
  3. モデルをシミュレートします。l
  4. アルテラのライブラリを使用して、DSP Builder にモデルを適用します。
  5. デザインをコンパイルし、FPGA に実装します (VHDL コードが自動生成されます)。
  6. シミュレーション結果を検証します。

アルテラの DSP Builder ツールは、MathWorks Simulink デザイン・ブロックと、HDL コードの自動生成機能を提供します。そのため、システムのシミュレーションに使用したのと同じモデルを FPGA に直接実装できるようになります。さらに、設計者は、パワー・エレクトロニクス・コンポーネントの豊富なライブラリを利用してテスト・ベンチやシステム・シミュレーション・モデルを構築できるようになります。

電力変換の効率化に向けて

スイッチングを高速化すると、インダクタンスとキャパシタンスの値が低くても電圧と電流のリップルを同等に抑えることができます。しかし、スイッチングの高速化に伴ってトランジスタのスイッチング損失が増えるだけでなく、帯域幅の拡張が必要になります。これらはいずれも、IGBT を使用した MCU ベースのシステムには課題となります。

FPGA ベースの高周波可変電圧 DC/DC コンバータ (VVC) によって、低コストの小型受動部品や、今後普及が進む高速スイッチング SiC (シリコン・カーバイド) MOSFET が使用できるようになります。

FPGA は下記のメリットを提供します。

  • コスト効率 : 低コストの小型受動部品や、高速スイッチング SiC (シリコン・カーバイド) MOSFET を使用できるようにします。
  • 処理速度 : FPGA ハードウェアでは、必要に応じてアルゴリズムの高速化と並列化が可能です。
  • スケーラビリティ : 進んだテクノロジ(マルチレベル・コンバータなど)を実装できます。
  • 機能安全 : セーフティ・ロジック(クロック・チェッカなど)を実装し、フェイルセーフ・デバイスとしてMCU の状態を監視させる事ができます。

スイッチング周波数が 5 倍になるため、同じリップル電流と電圧を得るためのインダクタンスとキャパシタンスの値は減少します。この減少により、サイズとコストが縮小されます。

この帯域幅の拡張は、1 つのプロセッサに複数の機能を実装する MCU ベースのソリューションでは課題になります。FPGA で制御すると、複数の制御機能を 1 つのデバイスに実装した場合でもこのような帯域幅を容易に得ることができます。

FPGA システムのメリット = システムのサイズ、重量、およびコストの縮小

 

  • 受動部品の小型化と応答の高速化
  • コンポーネント数の減少
  • コスト、重量、スペースの節約になり、将来のシステム・アップグレードにも対応

VVC の 10 kHz と 50 kHz デザインの比較

項目 現在のシステム 次世代 サイズ削減 予想されるコスト削減額
インダクタ (L) 200 uH 40 uH 5X $200 ~ $100
コンデンサ (Chv) 2000 uF 400 uF 5X $300 ~ $100
コンデンサ (Clv) 400 uF 80 uF 5X $100 ~ $50
IGBT での損失 500 W 1100 W
SiC MOSFET での損失 150 W 250 W 2X 高コスト(今後低減)