ADASのデザインでは、自動車メーカー独自の機能要件、使用するセンサの配置と種類、およびネットワーキング・プロトコルの選択が課題となります。標準化されたソリューションが存在しないため、FPGA などのデバイスには、デザインにおけるシステム変動要因に十分に対応できる柔軟性が要求されます。

表 1. デザインのシステム変動要因と FPGA の利点

デザイン課題 システム変動要因 FPGA の利点
データ取り込み カメラの解像度/フレーム・レートや必要なセンサのタイプ (レーダー、レーザー、ビデオ) の違い。様々なインタフェース規格が混在 カスタマイズされたセンサ・インタフェースや IPコアにより、あらゆる車載ネットワークのブリッジが可能
データ処理 画像補正やビデオ解析のための各種画像処理アルゴリズム。全方位立体映像への複数のカメラ画像の統合。複数のタイプのセンサ・フュージョン処理。リアルタイム処理 カスタマイズしたビデオおよび画像処理アルゴリズムや、センサ・フュージョン処理のハードウェア/ソフトウェア実装が可能
通信インタフェース LVDS、イーサネットなどの各種ビデオ・データ通信規格。低コストなシステム・バスへの接続 必要なタイプおよび数のインタフェースの最適な実装が可能

ADAS アプリケーションにおける SoC プロセッサとしての FPGA の使用

FPGA を使用すれば、主要な ADAS アプリケーションにおける上記の課題を解決することが可能です。FPGA をメイン・プロセッサーとして使用したり、他のプロセッサーのアクセラレータやセンサ・インターフェイス変換用のコプロセッサーとしても使用できます。

表 2. ADAS アプリケーションにおける FPGA の機能

ADAS アプリケーション FPGA の機能
レーン離脱警告(LDW) カメラ・センサー・インターフェイスおよび白線検出
交通標識認識 標識認識用カメラ・センサー・インターフェイスおよび認識用画像処理
ナイトビジョン 赤外線または温度カメラ・センサー・インターフェイスおよび画像処理パイプライン
インテリジェント・ヘッドライト・コントロール カメラ・センサー・インターフェイス、ヘッドライト検出アルゴリズム、およびCANインターフェイス
アダプティブ・クルーズ・コントロール レーダー・センサー・インターフェイスおよび CANインターフェイス
衝突回避 カメラ/レーダー・センサー・インターフェイス、レーダー処理、画像処理/認識、および CANインターフェイス
車両全周囲表示 画像統合、画像解析、ビデオデータ伝送、および魚眼補正
ブラインド・スポット・ディテクション レーダー・センサー・インターフェイスおよび CANインターフェイス
パーキング・アシスト 超音波/カメラ・センサー・インターフェイス、画像処理、魚眼補正、および CANインターフェイス