国際電気通信連合(ITU)は、IMT-2000 と呼ばれ移動体通信システムの標準化作業に伴い、マルチメディアと高速データ通信サービスをサポートする複数の規格を策定しました。W-CDMA(広帯域符号分割多重アクセス方式: Wideband-Code Division Multiple Access)は、次世代の移動体通信方式の 1 つとして採用されました。
ベースバンド・トランスミッタ & レシーバ
ここでは、W-CDMA 方式をサポートするダウンリンク・トランスミッタのデジタル・アーキテクチャについて説明します。図 1 は、トランスミッタの機能ブロックを示しています。図中の青色の部分はアルテラのFPGAで実装可能なブロックです。オレンジ色の部分はNios® II エンベデッド・ソフト・プロセッサ、もしくはデュアルコアARM® Cortex-A9 MPCore プロセッサを使用してソフトウェアで実装できる部分です。
図 1.トランスミッタのアーキテクチャ
ブロック図をクリックして詳しいを説明ご覧下さい。
W-CDMA 標準に適合するため、エラー検出用の巡回冗長チェック(CRC)ビットと、チャネル・コーディング用のエラー補正ビットが追加されています。これらの処理に続いて、データはユーザ(すなわち、チャネル)固有のコードで拡散され、所定のチップ・レートのデータ・ストリームが生成されます。この拡散されたデータ・ストリームには、Gold 符号によるスクランブル処理が行われ、受信機がマルチパス搬送信号を個々に識別してデコードできるようになります。さらに、信号が特定の帯域幅で搬送されるように、パルス・フィルタによるデータ・ビットの整形が行われ、次いでキャリア変調と無線周波数 (RF) への変換が行われます。最後にアンテナに送信されて、そこから無線転送されます。
図 2では、W-CDMA 方式をサポートするレシーバのデジタル・アーキテクチャについて説明します。図 2 はレシーバの機能ブロックを示しています。図中の青色の部分はアルテラのFPGA で実装可能なブロックです。オレンジ色の部分は Nios エンベデッド・プロセッサ、もしくは ARM Cortex-A9 ハード・プロセッサを使用してソフトウェアで実装できる部分です。
図 2.レシーバのアーキテクチャ
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アルテラと AMPP パートナーが提供するIPコア
アルテラの IP MegaStore ページに、次の各コア製品が用意されています。
- Viterbi Decoder
- FIR (Finite Impulse Response) コンパイラ
- 数値制御発振器 (NCO)コンパイラ
アルテラ製品がもたらすメリット
W-CDMA の実装にアルテラ製品を導入すれば、次のようなメリットが得られます。
柔軟性
W-CDMA 標準を実装するシステムには、W-CDMA 標準に加えられる変更や、アダプティブ・アンテナ、マルチユーザ検出方式といった技術的進歩に対応できる柔軟性が求められます。アルテラのFPGAを導入すれば、十分な柔軟性が得られます。
優れた処理能力
W-CDMA の信号処理に求められる処理能力は、通常のデジタル信号処理プロセッサの水準を大きく上回っています。アルテラのプログラマブル 高性能 Stratix® シリーズ & ミッドレンジ Arria® GX シリーズ アーキテクチャを導入して専用のハードウェア機能を実装すれば、十分な処理能力を得ることができ、複数のチャネルをサポートすることが可能です。
ロジック/プロセッサ・ソリューション
W-CDMA の信号処理では、十分な処理速度を得るためにもロジックによる実装が不可欠です。その一方で、検索やマルチパス・トラッキング、フィンガ割り当てといった複雑な制御アルゴリズムは、ソフトウェアによる実装が適しています。アルテラのNios II エンベデッド・ソフト・プロセッサ、または ARM Cortex-A9 ハード・プロセッサを導入すれば、ハードウェアとソフトウェアのシステム機能群を 1 つのチップ上で統合し、システムのパフォーマンスを低下させる I/O 関連のボトルネックを排除できます。
多彩なコア・ソリューション
アルテラは、ベースバンド信号処理とネットワーク・インタフェース用に多彩なソリューションを提供しています。ネットワーク・インタフェース関連のコアの詳細については、UMTS ワイヤレス・ネットワークを参照してください。
低コストへのスムーズな移行
アルテラの高集積 FPGA を使って開発した通信システムを量産体制に移行する際には、低コストでリスクを抑えた手段の選択が求められます。設計者はシステム設計を FPGAからHardCopy ASIC を使った設計に移行することによって、このニーズに効果的に対応できます。HardCopy ASICは、高集積のStratix シリーズ FPGAをサポートする変換プロセスを提供します。したがって、たとえば通信システムのプロトタイプ作成と初期生産には Stratix シリーズ FPGAを用い、量産の準備が整った段階で HardCopy ASICに移行すれば、開発から生産に至る全般的なコストを抑制できます。
NRE コスト
第3世代通信システムの需要を正確に予測することは不可能であるため、システム開発時に発生する ASIC 関連の高額な NRE(non-recurring engineering)コストは、かなりリスクが高いといえます。ASIC の代わりとなる、アルテラのHardCopy ASICは、W-CDMA システムの量産に向けて、低リスクのコスト削減方法を必要としている企業に最適です。


