

マシンビジョンとは
マシンビジョンは人間に代わって特定用途の目視検査をするシステムのことです。高感度センサーを通じて高速パターン認識を機械的に行い合否判別を行います。
マシンビジョンを構成する部品として、Wikipedia の定義では下記のようなものがあげられています。
「マシンビジョン」 (2009年8月2日 (日) 18:05 UTCの版) 『ウィキペディア日本語版』。 |
特にその進歩が目覚ましいのは、カメラの高精細化、カメラから伝送される画像データを解析および蓄積するためにデジタル・アルゴリズム処理を施す基板 (Frame Grabber) と、その基板に搭載され画像処理ソフトウェアを高速実行する DSP やマイクロ・プロセッサです。
近年のマシンビジョンシステムは、マイクロメーター単位の不純物や不具合箇所を発見するために数百万画素以上のセンサー・カメラを必要とし、高精細になればなるほどその画像データは膨大になります。
また従来より白黒カメラの画像およびアナログ・データ伝送が多く、長い距離を伝送するとデータが減衰、劣化してしまうという課題を抱えています。
増大するデータ量の高速処理と伝送距離は、マシンビジョンの進化における2つの主要な課題と言えるでしょう。

FPGA はハードウェアによる並列の高速データ処理を可能にします。たとえば DSP は 1~8 個の乗算器を内蔵するものが多いのですが、逐次実行のため複数のクロックサイクルが必要です。一方 FPGA は数百個の乗算器を内蔵しており、1クロックサイクルで高スループットの並列演算を行います。200Tap の FIR 回路の場合、DSP (8個の乗算器) が 25 サイクル以上かかるのに比べ、FPGA はわずか 1 サイクルで処理します。
また、より高速化を目指すためにはデバイスの動作周波数を上げる方法がありますが、同時に消費電力や発熱量も増大してしまいます。ほかには、デバイスを複数にすることで処理アルゴリズムを分散化してしまうことも考えられますが、基板面積やコストがかさむという問題があります。しかし、アルテラの FPGA の場合 Nios® II ソフトコア・プロセッサを複数個デバイス実装することにより、コストを抑えながら分散処理を実現するという方法があります。さらに C 言語で記述されたループ処理のボトルネック部を、C2H コンパイラを使ってハードウェア処理に置換し高速化することも可能です。
右は、東京大学石川研究室における Stratix® シリーズFPGAを使用した高速ビジョンモジュールの開発事例です。その応用範囲は様々なアプリケーションに及び、より人間の目に近いロボット・アイとして高速処理技術の活用も検討されています。
( 高速ビジョンモジュール プロジェクトで開発したモジュールの概要のパンフレット (PDF) は、こちらの東京大学石川研究室のサイトからダウンロードできます。)

現在は、アナログ・カメラが依然として重要な役割を担っているものの、トレンドはアナログ伝送からデジタル伝送に確実に移行しつつあります。
米国の Automated Imaging Association (AIA) [図1]の市場調査によると、デジタル伝送の中でも数年以内に GigE Vision と CameraLink の組み合わせが、カメラ・インタフェースの 60% 以上を占めると見られており、特に GigE Vision は FA (Factory Automation) でのイーサネットベース・ネットワークの浸透により、北米、欧州において急速に採用が進んでいる状況です。
マシンビジョンでのギガビット・イーサネットは、画像データの増大によりここ数年大きな発展を遂げており、将来的には 10Gbps までの実用化がすでに視野に入っています。GigE Vision® によって、低コストの標準的なケーブルを使用し、リピータ未使用で 100m もの長距離の高速画像転送が可能になります。さらに、各メーカーのカメラとソフトウェアを GenICam という API (XMLファイル) を通じてシームレスに複数同時に使用することもでき、かつ専用のフレームグラバーが不要になるため、システムコストの削減につながります。
| 図1: 参考資料・マシンビジョンで使用される主な伝送規格とトレンド | |||
|---|---|---|---|
| DCAM | CameraLink® | GigE Vision® | |
| メディア | IEEE1394 (Firewire) | LVDS | イーサネット |
| 接続タイプ |
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| データ・レート |
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ただし特定の伝送速度に 限定されない |
| 伝送距離 (リピータ未使用時) | < 4.5 m | < 10 m | < 100 m |
| 拡張性 | 63 デバイス | 1 デバイス | 無制限 |
| PC インタフェース | オンボードまたは PCI インタフェース | PCI フレームグラバー | ネットワーク・インタフェース・カード |
| 市場成熟度 | 成熟した規格 | 成熟した規格 | 発展中 |
注釈:
- CameraLink は、信号レベルのきわめて基本的な規格化のみを与えており、機能レベルの規格化は行っていない。
- DCAM / Firewire は、共通の機能について付加的な規格化を提供している。そのため、すべての機能を使用するには各カメラ・メーカーからの付加的なソフトウェアが必要になる。
- GigE Vision® と GenICam の組み合わせでは、規格が詳細に規定されており、GigE Vision® に準拠した各カメラを、ひとつのソフトウェア・パッケージとの組み合わせで使用でき、付加的なドライバは不要となる。
GigE Vision の実現
現状 GigE Vision を実現するにはどうすればよいのでしょうか?
ひとつは、筐体設計の余裕があれば、市販の GigE Vision ハードウェア・モジュールをカメラやシステムに組み込むことです。あるいは、強力な DSP やマイクロ・プロセッサをシステム基板に搭載してプログラムすることにより、GigE Vision をフル・プロセッシングすることです。ただし、高速処理のために周波数を上げると同時に消費電力も増大するばかりか、プロセッサのトータル・パフォーマンスを著しく低下させてしまいます。
一例として、左の Sensor-to-Image 社の GigE-Core 評価キットは、FPGA IP コアから構成されるもので、最小のフットプリントで最大の性能が得られ、カスタム・ソリューションを実現するのにも十分なフレキシビリティを提供しています。 Stratix® III / Stratix IV または Cyclone® III など最新の FPGA シリーズ をサポートしており、カメラ・リファレンスデザイン、FPGA ソースやフィルタドライバなどソフトウェア群が付属しています。
具体的にデモが見たい等、ご相談・お問い合わせはこちらからどうぞ。
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