マルチメディア・ホーム・ネットワーキングによって、安全なホーム・ネットワークを使用して、マルチメディア指向の機器(TV、ポータブル・メディア・プレーヤ、カメラ、携帯電話など)およびデータ通信指向の機器(PC や PDA など)で、オーディオ、ビデオ、およびデータの共有が可能になります。この 10 年間で、インターネット・アクセスのためのブロードバンド接続が一般的になり、PC は、単にデータ・アクセスのためだけでなく、マルチメディア・ファイルにアクセスし、共有するためにも使用されてきました。同時に、カメラやポータブル・メディア・プレーヤなどのデジタル機器が普及し、そのような機器を用いて作成されたマルチメディア・コンテンツが急増しました。しかし、家庭内のさまざまな機器間の接続規格が存在しないために、そのようなコンテンツを機器間で共有することは困難です。高帯域幅、サービス品質(QoS)主導型の標準インタフェースを備えたマルチメディア・ホーム・ネットワークを実現することによって、宅内のほぼどこからでもホーム・ムービー、マルチメディア・ファイル、およびインターネットにアクセスすることができます。
ホーム・ネットワーク内では、メディア・サーバはセントラルユニットとして機能します。メディア・サーバは通常、オーディオ、ビデオ、およびデータ・ファイルの保管および高速接続が可能なため、大容量ハード・ディスクを備えており、異なる機器との間でのストリーミングおよびファイルの保存が可能です。ホーム・ネットワークでサポートしなければならないインタフェースには、トリプル・スピード・イーサネット、PCI Express、USB、FireWire、UWB、Wi-Fi などがあります。 また、ビデオ・フォーマット間での変換のために、トランスコーディング機能が必要になることがあります。図 1 に、メディア・サーバのブロック図の例を示します。
図 1. ホーム・マルチメディア・サーバのブロック図
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FPGA によるデザイン・リスクの低減
ホーム・ネットワーキング機器市場は、まだ進化の段階にあり、どのネットワーキング・テクノロジとビデオ・フォーマットをサポートすべきかという問題を含め、不確定要素を多数抱えています。既存の ASSP ソリューションでは進化の途上にあるさまざまなネットワーキング・テクノロジやビデオ・フォーマットをすべてサポートしているわけではなく、カスタム ASIC を開発するには非常に時間がかかります。ASIC または ASSP デザイン手法のみ採用したのでは、メーカは市場への投入に遅れをとるか、時代遅れの機能を持つ製品をリリースするという大きなリスクを負うことになります。ホーム・ネットワーク製品でプログラマブル・ロジックを活用すると、「Time-to-Market」のための敏捷性と、製品に最新機能を追加する柔軟性が得られます。ボード上の FPGA により、サポートされていないネットワーク規格やビデオ・フォーマットを追加できます。また、FPGA をトランスコーディング機能に使用することもできます。
ネットワーキング・テクノロジ
Digital Living Network Alliance(DLNA) および Hi-Def A-V Network Alliance (HANA)は、メーカーを提携させ、ホーム・ネットワーキング製品間の互換性を確保するという目標を持つ主要な業界グループです。さまざまな企業が、マルチメディア・ホーム・ネットワークを実現するために、有線式または無線式として大別される多様なテクノロジを追求しています。表 1 に、一般的なホーム・ネットワーキング・テクノロジを示します。
| 表 1. 一般的なホーム・ネットワーキング・テクノロジ | |
| テクノロジ | 特長 |
|---|---|
| 802.11n | 802.11 Wi-Fi 無線規格の拡張版です。2.4 GHz または 5 GHz の周波数スペクトルで動作し、100 Mbps を超える帯域幅をサポートできます。より高いデータ・レートを実現するために受信と送信に複数のアンテナを使用するので、多重入力/重出力(MIMO)テクノロジとも呼ばれます。 |
| Multimedia Over Coaxial Alliance (MOCA) | 家庭内の既存の同軸ケーブルを使用して、100 Mbps を超えるターゲット・スピードでオーディオ、ビデオ、およびデータを配信します。 |
| HomePNA | Home Phoneline Networking Alliance は、電話回線を使用して、300 Mbps を超えるデータ・レートでイーサネットを運用しています。 |
| HomePlug Audio/Video (A/V) | HomePlug A/V は、家庭内の電線によるネットワーキングを提供します。 有効帯域幅は 100 Mbps を超えます。 変調には、ウィンドウ付き直交周波数分割多重 (OFDM)を使用します。 |
| Wireless High Definition (HD) | このグループは、60 GHz 無線周波数で最大 5 Gbps のデータ・レートによる非圧縮 HD ビデオの伝送を実現する方向で取り組んでいます。 |
