ケーブル、衛星、および地上波のビデオ・サービス・プロバイダは、デジタル・テレビ(DTV)モジュレータを使用して、ビデオ・プログラム(ビデオ、オーディオ、および付加データを含む)を、同軸ケーブルや空気などの媒体を通して放送可能なフォーマットに変換します。モジュレータは、データを DVB(Digital Video Broadcasting)非同期シリアル・インタフェース(ASI)を経由して 270 Mbps で送信される、シングルまたはマルチ・プログラムのトランスポート・ストリーム(SPTS または MPTS)として受信します。トランスポート・ストリーム(TS)には、MPEG(Moving Picture Experts Group)-2 などの圧縮方式で符号化された、オーディオ、ビデオ、および付加データ入力が含まれます。
DTV モジュレータは FEC(Forward Error Correction)エンコーディングを実行して、バイナリ・データを放送に適した変調方式にマップします。 地域によっては DTV に移行するために異なる変調規格を採用してきました。表 1 に世界各地で採用されている変調方式と送信モードをまとめます。 DTV 放送に使用される変調方式の例としては、QAM(Quadrature Amplitude Modulation: 直交振幅変調)、 QPSK(Quadrature Phase Shift Keying: 直交位相変移変調)、COFDM(Coded Orthogonal Frequency Division Multiplexing: 符号化直交周波数分割多重)、および VSB(Vestigial Sideband: 残留側波帯)があります。
| 表 1. 地形および送信モード別変調方式 | |||
| 場所 | ケーブル | 衛星 | 地上波 |
|---|---|---|---|
| 北米 | ITU-T/J.83B(64/256QAM) | DVB-S、DSS(QPSK)、DVB-S2 | ATSC(8VSB) |
| 欧州 | DVB-C(64QAM) | DVB-S(QPSK)、DVB-S2 | DVB-T、DVB-H(COFDM) |
| 中国 | DVB-C、DTV-C(64QAM) | DVB-S(QPSK) | TDS-OFDM |
| 日本 | ITU-T/J.83A(64QAM) | ISDB-S(8PSK) | ISDB-T |
地球上での異なる DTV 規格に関係なく、すべてのモジュレータは何らかの FEC(Forward Error Correction)エンコーディングを実行して、データを放送に適した変調方式にマップする必要があります。図 1、2、3、および 4 に、放送媒体に基づくさまざまな変調方式の各種機能ブロックを示します。
地上波放送では、欧州において COFDM 変調が使用されています。COFDM のデータは互いに直交する多数の周波数キャリアで配信されます。COFDM 変調は、MPEG-TS に対応するためにベースド・バンド・インタフェースを備えています。リード・ソロモン・コーディングとビダビ手法を採用し、FEC を提供しながらインターリービングを実行してバースト・タイプのエラーを低減します。次にデータは、信号に QAM マップされ高い周波数に変換されます。DVB-T のブロック図については、図 1 を参照してください。ATSC(Advanced Television Systems Committee)DTV 放送規格は、地上波放送用に北米で採用され、信号の変調に 8-VSB を使用しています。
図 1. デジタル地上波(DVB-T)モジュレータ

図 1 の注:
- TPS: Transmission parameter signaling (送信パラメータ・シグナリング)
- IFFT: Inverse fast Fourier transform (逆高速フーリエ変換)
DVB-S は、単一の MPEG-TS または複数の MPEG-TS に対応するベースバンド・インタフェースを備えた衛星放送規格です。DVB-S の FEC は DVB-T と同じです。次世代の衛星放送規格である DVB-S2 は、誤り訂正にアウター・ブロック・レベル・コーディング、低密度パリティ・チェック・コーディング(LDPC)、およびビット・インターリーブを採用しています。DVB-S 規格は QPSK 変調のみサポートしています。ただし、DVB-S2 はさらに 8PSK、16APSK、および 32APSK 変調方式もサポートしています。
図 2. デジタル地上波(DVB-S2)モジュレータ

図 2 の注:
- APSK: Amplitude/phase shift keying(振幅/位相偏移変調)
- PSK: Phase-shift keying(位相偏移変調)
すべての地形におけるケーブル変調は類似しており、信号の変調には QAM 手法を採用しています。 機能ブロックとそれらのケーブル変調に関する機能性について詳しくは、QAM 変調器(PDF) ホワイトペーパー またはデジタル・ケーブル QAM ページを参照してください。
図 3. J.83 デジタル・ケーブル変調器

中国では、2006年にDMB-TH (Digital Multimedia Broadcast-Terrestrial/Handheld、デジタル・マルチメディア放送 - 地上/ポータブル機器)に関する標準規格を制定しました。この標準規格の公式名は、Framing Structure, Channel Coding, and Modulation for Digital Television Terrestrial Broadcasting です。
図 4. DMB-TH 変調器

図 4 の注:
- PN: Pseudo-random noise (疑似ランダム・ノイズ)
- DUC: Digital upconverter (デジタル・アップコンバータ)
IP MegaStore にある DTV モジュレータで使用されるアルテラ IP(Intellectual Property)の例を、次に示します :
- 完全な J.83 A/B/C マルチチャネル・コア
- DVB-T および DVB-S2 変調器
- DMB-TH 変調器コア
- リード・ソロモン・デコーダ
- ビダビ・デコーダ
- デインタリーバ
- NCO(Numerically controlled oscillator)
- FIR(Finite Impulse Response)フィルタ
- 8b/10b エンコーダ
- DVB-ASI リファレンス・デザイン
DTV モジュレータ用多機能プログラマブル・ソリューション
Stratix® II FPGA (HardCopy® II ストラクチャード ASIC への移行サポートを含む)および Stratix FPGA (HardCopy ストラクチャード ASIC への移行サポートを含む)デバイス・ファミリの多機能アーキテクチャは、DTV モジュレータのビデオ配信要求に対して優れたソリューションを提供します。これらのデバイス・ファミリは、他のソリューションでは実現できない、柔軟性、性能、集積度、およびデザイン・リソースを提供します。Stratix II デバイスは、最高 384 個の 18 x 18 ビット・エンベデッド乗算器と 9 M ビットの TriMatrix メモリを内蔵しています。
アルテラの低コスト Cyclone® III FPGA は、65 nm、ロー・パワー(LP)プロセス・テクノロジにて製造されています。Cyclone III ファミリは 8 つのデバイスにより構成されており、5K から 120K ロジック・エレメント(LE)数および最大 534 ユーザ I/O ピンを提供します。Cyclone III FPGA には、最大 4 M ビットのエンベデッド・メモリ、最大 288 個の 18x18 乗算器、専用外部メモリ・インタフェース回路を提供し、デジタル放送機器アプリケーション向けの変調器のようなアプリケーションを実装するためには最適です。
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