ソフトウェア無線レシーバは、一般的なソフトウェア無線コンセプトの特殊な実現形態です。原則として、ソフトウェア無線レシーバは、アンテナの直後に、あるいは1台のインタフェース・ユニットを介して、アナログ-デジタル(A/D)コンバータを備えています。ミキシングおよびベースバンド処理はデジタル的に行われ、ソフトウェアで制御されます。この方式の主な利点は柔軟性が高いことです。ソフトウェアは、どのタイプのレシーバ構成に対しても 1つの共通ハードウェア・プラットフォーム上で動作します。設計者は、対象となるであろうすべてのレシーバに対応するために、ハードウェアに必要な共通ファンクション・セットを実現することができます。また、新しいレシーバが必要になったときに、その受信方式に対応するためにハードウェアをリコンフィギュレーションする方法を選択することも可能です。
図 1 に代表的な車載用ソフトウェア無線レシーバ・システムを示します。ソフトウェア無線レシーバは、チャネル処理モジュールとデコーダ・モジュールで構成されています。チャネル処理モジュールは、デジタル・ダウン・コンバータ、カスケード接続された統合コーム(CIC)フィルタ、および有限インパルス応答(FIR)フィルタを使用して、チャネル選択、フィルタリング、および等化処理を行います。レシーバ構成によっては異なるチャネル処理モジュール・セットが必要になる場合があり、これらはソフトウェア無線コントローラの制御下で Cyclone デバイスに再ロードすることができます。ARM® CPU はプロセッサ・サブシステムと共に、Excalibur デバイス内のロジック・セクションにその時点で必要な特定のデコーダ・モジュールを再ロードすることができます。この場合、波形モジュールがデコードされたオーディオ信号を処理します。
アルテラは、数値制御発振器(NCO)、FIR、無限インパルス応答(IIR)、高速フーリエ変換(FFT)、およびコンステレーション・マッパなど、チャネル処理、デコーディング、および波形モジュールを実装するのに使用できる各種 IP コアを提供します。設計者は、アルテラの Excalibur デバイスに Control Area Network (CAN) コントローラや USB (Universal Serial Bus) コントローラなどの IP コアも実装できます。あるいは Cyclone デバイスに IP コアを 32 ビット Nios® II RISC エンベデッド・ソフト・コア・プロセッサと共に実装して、ソフトウェア無線コントローラ・モジュールを実現することも可能です。
図 1. オートモーティブ・ソフトウェア無線レシーバ・システム
図 1 の注:
- UART = universal asynchronous receiver/transmitter (ユニーバーサル非同期レシーバ/トランスミッタ)
