次世代の車載用電子システムでは、市場の要求を満たすために低コストの専用デバイスが求められます。最新プロセス・テクノロジの開発コストの大幅な上昇を考慮した場合、従来のマイクロコントローラの専用化は、もはや賢明なビジネスの選択であるとは言えません。豊富な機能を備え幅広い市場をターゲットにしたデバイスも、高価になる場合が多いため同じことが言えます。
それに対して、フレキシブル・マイクロコントローラ・ソリューションは、Nios® II 32ビット RISC エンベデッド・ソフトコア・プロセッサ (ガートナー社発表 - 最も使用されているソフト・プロセッサ) を使用して、FPGA に実装してプロトタイプの作成を行うことによって、特定用途に最適なマイクロコントローラを開発するためのプロセスを提供します。
FPGA ではエンジニアリング開発時間が大幅に短縮され、複数のシリコンの再設計によるコスト上昇のリスクが軽減されるため、マイクロコントローラの実現可能で強力な代替デバイスになります。デザインの完成後すぐに、またはデザインと並行して、検証、ソフトウェア開発、およびフィールド・テストを実行することができます。例えば、カー・ラジオやナビゲーション・デバイス向けの柔軟性の高いグラフィックス・システムの開発に要する時間は、FPGA 手法を使用すると 約 6 ヶ月短縮された実績があります。
必要な機能を処理しないマイクロコントローラとは異なり、FPGA ではデザイン・プロセス中に必要に応じてプログラミングおよび再プログラミングが可能であり、より迅速なプロトタイプ作成とより短い「Time-to- Market」を実現できます。要件が変更された場合は、自動車が出荷された後でもフィールドでのアップグレードが可能です。さらに、Nios II ベースのコントローラーはその他もしくは、次世代のアルテラ FPGA に簡単にポーティングすることができ、陳腐化の問題に対応します。
量産の場合は、再合成や追加検証を行うことなく、FPGA デザインを HardCopy® ストラクチャード ASIC に直接マッピングすることができます。
FPGA からストラクチャード ASIC へのシームレスな移行手段が可能になったため、柔軟性の高いマイクロコントローラーはコスト効率が高く、また機能が定義済みの拡張可能なビルディング・ブロックの膨大なライブラリから選択されているので、顧客のニーズに沿って仕様を規定できます。CPU およびバス・アーキテクチャは柔軟性の高いマイクロコントローラーのコンセプトにとって独自なものであり、特定のカスタマ・アプリケーションに必要なファンクションや機能を備えたデザインにマッピングできます。
アルテラが実現する柔軟性の高いマイクロコントローラー・ユニット(MCU)アプリケーションにおいて、Nios® II エンベデッド・プロセッサは 標準 RISC アーキテクチャを使用しています。複数の Nios プロセッサ・インスタンスの使用、カスタム・インストラクションの追加、もしくは、自動的に構築およびインスタンス化されたハードウェア・アクセラレーターにより C言語コードを最適化可能な C-to-Hardware ユーティリティを使用することで、さらなる高い性能を実現可能です。図 1 に、複数のサブシステムと拡張可能なインタフェースおよびファンクションを備えたオートモーティブ・インフォテイメント・プラットフォームを示します。
図 1. マイクロコントローラーを使用したオートモーティブ・インフォテイメント・プラットフォーム

FPGA へのマイクロコントローラの実装
オートモーティブ・マイクロコントローラ・システムは純粋なグラフィック・コントローラに比べてはるかに複雑なため、多くの場合、プロトタイプ作成用ロジックとして FPGA が使用されます。FPGA でプロトタイプ作成を行うと、包括的な検証、ファームウェアの開発、およびフィールド・テストが可能なため、開発リスクを大幅に軽減できます。また、FPGA をプロトタイプ作成に使用することによって、デバイスをイン・システムで実行して実際の状況で使用することができ、シミュレーションでは発見できなかった可能性がある潜在的なデザイン問題を識別することができます。
マイクロコントローラの実装には、オリジナルの仕様にはない新しい特徴や機能が必要になる場合もあります(図 2 参照)。これまで発見されなかった欠陥または新しい機能の追加に対応する観点から、FPGA でのプロトタイプ作成では、大きな追加エンジニアリング・コストや長期の製造サイクルを伴わず、迅速に変更を行うことができます。
図 2. コントローラの性能および機能(下側の軸)の向上を可能にする FPGA から ASIC への統合

