Stratix® II PLL は、周波数合成、スペクトラム拡散クロッキング、外部フィードバックなどの画期的な機能を備えています。Stratix II デバイスは、ユーザがデバイス全体を再プログラミングすることなく PLL コンフィギュレーションを変更できる PLL リコンフィギュレーション機能を提供します。さらに、Stratix II PLL は、プログラマブル遅延シフト、プログラマブル位相シフト、プログラマブル・バンド幅、クロック・パワー・ダウンとクロック・ソース選択、クロック切り換えなど、いくつかのダイナミック・コントロール機能を提供します。
プログラマブル位相シフトおよび遅延シフト
プログラマブル位相シフト機能により、設計者は入力クロック位相をステップごとにダイナミックに調整することができます。この機能を使用して厳密なタイミング・マージンを管理することにより、高速インタフェース要件に対応できます。微調整プログラマブル遅延シフト機能は、PLL 出力ごとにダイナミック・タイミング遅延シフト・コントロールを提供します。プログラマブル遅延シフトを使用すると、設計者がクロックを調整して tCO または tSU に最適化できるので、厳密な I/O タイミング要件に対応できます。
プログラマブル・バンド幅
Stratix II のPLL のバンド幅は、入力クロックとジッタの追跡能力を示す測度になります。Stratix® II デバイスでは、設計者が PLL バンド幅設定をダイナミックにコントロールして、入力クロックから必要量のジッタを除去することができます。高バンド幅 PLL は迅速に基準クロックにロックし、クロックの変化に対応できます。低バンド幅 PLL はロック時間が長くなりますが、より多くのジッタを除去します。Stratix II のプログラマブル帯域幅機能により、PLL のカスケード接続が必要なアプリケーションを開発する際の柔軟性が向上します。
クロック・パワー・ダウンとクロック・ソース選択
Stratix II デバイスでは、複数のクロック入力信号を同じ PLL に配線できます。Stratix II PLL はダイナミック・クロック・ソース選択機能を提供します。これにより、複数のクロック入力からダイナミックに選択するか、または特定の 1 つのクロックで PLL 入力をドライブすることができます。各 Stratix II PLL は最大 12 クロック・ネットワークをドライブ可能です。Stratix II デバイスは、特定のグローバル・クロック・ネットワークをダイナミックに無効化できるクロック・パワー・ダウン機能も提供します。この機能は、デザインに特定のクロック・ネットワークが不要の場合に Stratix II デバイスの消費電力を低減します。
クロック切り換え(クロック・スイッチオーバー)
設計者は、今日のネットワーキング・システムの信頼性に対する要件を考慮し、ダウンタイムによって生じる高いコストを避けるために、信頼性の高いシステムを構築することが求められます。より信頼性の高いシステムを構築するための効率的な方法は、冗長クロッキング方式を実装することです。Stratix II PLL は、元のクロックに障害が発生した場合には冗長クロックで PLL をドライブできる柔軟なクロック切り換え機能をサポートしています。このクロック切り換え機能は、異なる周波数のクロック入力の切り換えにも使用できます。クロック切り換えは、動作周波数間での手動切り換えが必要なビデオ・アプリケーションに役立ちます。クロック切り換え機能は、テレコム、ストレージ、およびサーバ市場で幅広く導入されています。これらの市場ではシステムの安定性を確保するために、信頼性の高いクロッキング方式が求められています。
図 1 は、Stratix II クロック切り換え回路のブロック図です。
図 1. Stratix II クロック切り換え回路

PLL リコンフィギュレーション
PLL リコンフィギュレーションにより、入力クロック周波数を柔軟に逓倍または分周して、より高いまたは低い出力クロック周波数を得ることができます。また、PLL 周波数と出力クロック・スキューをリアルタイムに変更可能です。Stratix II の周波数合成および遅延機能もユーザが実行時に変更できます(例:プロトタイプ環境で設計者が PLL 出力周波数とクロック遅延を変更)。この機能によって、チップの残りの部分を再プログラミングすることなく PLL リコンフィギュレーションを行うことができます。さらにシステムのデバッグ中に、ユーザが PLL パラメータを変更してシステム・タイミングを最適化できます。
スペクトラム拡散クロッキング
システム内の電磁妨害 (EMI) を低減するため、Stratix II デバイスのenhanced PLL はスペクトラム拡散テクノロジを実装しています。このテクノロジはクロック・エネルギーを広い周波数範囲で分配します。スペクトラム拡散クロッキング方式は、基本クロック周波数エネルギーを拡散して、特定の周波数でのエネルギー・ピークを最小化します。スペクトラム・ピーク振幅を低減して、EMI 放出規格への適合性に優れたシステムを構築し、従来の EMI 抑制に関連するコストを低減します。enhanced PLL は、通常 0.5% のダウンスプレッド変調を提供します。
周波数合成
Stratix II デバイスの PLL は、入力クロックを逓倍および分周して新しい内部クロック周波数を生成する周波数合成機能を提供します。各 Stratix II PLL は最大 6 つの独立した出力クロック周波数をサポートしているので、複数のオンチップ・クロック・ドメインおよびオフチップ・クロック・ドメインを管理できます。周波数合成は、ハーフレート・クロッキング方式を使用する HyperTransport や RapidIO 規格などの高速インタフェース規格のサポートが必要な場合に不可欠です。
周波数合成は、前段および後段の分周および逓倍として動作するカウンタによって実現されます。Stratix II PLL のこれらのカウンタはダイナミックに変更できます。
外部フィードバック
Stratix II enhanced PLL はオフチップ・クロックをドライブできます。外部フィードバック機能により、設計者はオフチップ・クロックを自動的に調整してボード・スキューを補償することができます。外部フィードバック機能は、温度や電圧の変動による遅延の変化に対応するために、PLL が動作中に外部クロック出力を調整することによってシステムの安定性を確立します。外部フィードバック機能を使用してボード遅延を補償し、クロック・エッジが外部クロックの配信先に同時に到達するようにすることができます。
