競合する 90nm 低コスト FPGA と比較した場合、Cyclone II デバイスの特長は以下のようになります。
Cyclone II の全体的な優位性
- 低消費電力で No.1 - 競合する 90nm 低コスト FPGA の半分の消費電力。
- 低コストで No. 1 - 低消費電力化に伴う価格の割増なし。 競合する 90nm 低コスト FPGA の場合、低消費電力デバイスのために 10% の価格割増しが必要。
- 性能で No. 1 - 競合する 90nm 低コスト FPGA のと比較して性能が 60% 向上。1 個の FPGA で低消費電力と高性能を達成。
全体の消費電力が半分
消費電力データは、Cyclone II デバイスの全体の消費電力は 競合する 90nm 低コスト FPGA の全消費電力の半分であることを示しています。Cyclone II デバイスの 85℃ でのワースト・ケース・シリコンと、Spartan-3 および Spartan-3L の25℃での標準シリコンを比較した場合でも、Cyclone II デバイスの全体の消費電力は、Spartan-3 および Spartan-3L デバイスの全体の消費電力の半分です。
Cyclone II PowerPlay Early Power Estimator バージョン1.0 と Spartan-3 Web Power Tool バージョン4.1.1 電力見積りツールを使用して、3つの製品ファミリ間で全体の消費電力の見積りを、同等なリソースを利用した場合で比較しました。 この比較の詳細に関しては表1、2、3をご覧ください。
図 1. Cyclone II vs. Spartan-3 & Spartan-3L 全体の消費電力の比較

表 1 では、図 1で示したデバイスに対するプロセス、電圧、温度状況の比較を示しています。
| 表 1. プロセス、電圧、温度状況の比較 | |||
| 製品ファミリ |
プロセス |
電圧 |
接合温度(Tj) |
|---|---|---|---|
|
Cyclone II |
ワースト・ケース・プロセス |
コア = 1.2 V |
85℃ |
| Spartan-3 および Spartan-3L |
標準プロセス(1) |
コア = 1.2 V |
25℃(3) |
- Spartan-3 Web Power Tool バージョン4.1.1 ではワースト・ケース・プロセスはサポートされていません。
- Cyclone II デバイスとは異なり、Spartan-3 および Spartan-3L デバイスではさらに 3 番目の 2.5V 電源が必要です。
- Spartan-3 Web Power Tool バージョン4.1.1 では接合温度の変動に対する消費電力の変化がサポートされていないため、25℃ の場合の結果を示しています。
デバイスのリソースと条件
表 2では図1で比較したデバイスのリソースを紹介します。
ベンチマークは以下の条件で実施されました。
- 各デザインで使用した動作周波数は 150 MHz
- 配線の条件はミディアム条件(Spartan-3 Web Power Toolの設定)
- 同規模のデバイス集積度を使用し比較
- Spartan-3E は、どの Xilinx ツールでもサポートされていないため対象外
| 表 2. 全体の消費電力測定で使用したデバイスのリソース | ||||||||
|
デザイン |
デバイス |
LUT数 |
フリップフロップ数 |
内蔵メモリビット数 |
ハード乗算器数 |
PLL/DCM数 |
I/O数 |
|
|
1 |
EP2C5 XC3S200 |
3,500 |
1,750 |
119 Kb |
10 |
2 |
50 |
|
|
2 |
EP2C8 XC3S400 |
7,000 |
3,500 |
165 Kb |
15 |
2 |
70 |
|
|
3 |
EP2C20 XC3S1000L |
15,000 |
7,500 |
230 Kb |
20 |
2 |
150 |
|
|
4 |
EP2C35 XC3S2000 |
25,000 |
12,500 |
480 Kb |
40 |
2 |
200 |
|
|
5 |
EP2C50 XC3S4000L |
40,000 |
20,000 |
590 Kb |
95 |
2 |
250 |
|
|
6 |
EP2C70 XC3S5000 |
50,000 |
25,000 |
1,130 Kb |
100 |
2 |
400 |
|
表 3 では図 1 で比較したデバイスの条件を示しています。
| 表 3. 全体の消費電力測定で使用した条件 | ||
|
リソース |
条件 |
注 |
|
LUT/FF |
トグル・レート 12.5% |
1 LUT + 1 フリップ・フロップ |
|
RAM |
シンプル・デュアル・ポート、ポート A で 50%書き込み、 |
- |
|
乗算器 |
18x18 乗算器 |
Xilinx ツールでは "High" トグル設定 |
|
I/O 消費電力 |
入力/出力の比率は 50/50%、トグル・レートは 30%、 |
- |
|
クロック配線 |
ロジック量に比例して考慮 |
Xilinxモデルには設定条件なし |
スタティックな消費電力が半分
Cyclone II のワースト・ケース・プロセスと Spartan-3 の標準プロセスを比較した場合でも、Cyclone II デバイスのスタティック消費電力は半分です。 また、Cyclone II デバイスのスタティック消費電力は、Spartan-3L デバイスよりも少なくなります。さらに、Cyclone II PLLはSpartan-3 とSpartan-3L DCMと比較して約10分の1のスタティック消費電力しか消費しません。
Cyclone II PowerPlay Early Power Estimator バージョン1.0 と、Spartan-3 v1.5 および Spartan-3L v1.0 データ・シートの静止電源電流特性を利用して、3つの製品ファミリ間でワースト・ケースのスタティックな消費電力を比較しました。 図 2と3 にこの比較結果として、Cyclone II 、Spartan-3、Spartan-3L デバイスのスタティックな消費電力を示しています。
消費電力は、プロセス、電圧、および温度によってシリコンごとに変動します。最も正確かつ信頼できる情報が得られるように、ベンダがワースト・ケース・プロセス(プロセス分布の末端)を規定することが重要です。また、消費電力は温度によって変動するため、顧客が消費電力見積りツールで最高温度を検証できるように規定することも重要です。
図 2 のベンチマークは以下の条件で実施されました。
- Spartan-3 データ・シートv1.5 モジュール3にはワースト・ケース・プロセスは規定されていません。Spartan-3のワースト・ケースの数値は、Xilinx のガイダンスを基に1.2V系電源の標準プロセスにおける値を2.0倍することで求めた値です。
- Spartan-3 デバイスのスタティック消費電力値は、Spartan-3 データ・シート v1.5 モジュール3のスタティックな電源電流特性をそれぞれ 3つの電源電圧で乗算し、各値を合計して計算されています。
- Xilinx は、Spartan-3 XC3S2000、XC3S4000、および XC3S5000 の 85℃ におけるスタティックな消費電力値を、Spartan-3 データ・シート v1.5、Spartan-3 Web Power Tool バージョン4.1.1、または XPower に提示していません。従って、集積度で26,000ロジック・エレメント相当数以上の値は、直線的に推移した場合を推定した値です(点線で表示)。
図 2 . Cyclone II vs. Spartan-3 スタティック消費電力の比較

注:
-
PLL と DCM の比較は図 2 で示していません。
図 3 のベンチマークは以下の条件で実施されました。
- Spartan-3L v1.0 データ・シートにはワースト・ケース・プロセスは規定されていません。Spartan-3Lのワースト・ケースの数値は、Xilinx のガイダンスを基に1.2V系電源の標準プロセスにおける値を2.0倍することで求めた値です。
- Spartan-3L デバイス・ファミリは3つのデバイス集積度と1つのスピード・グレードのみをサポートします。すべてのCyclone II の集積度とスピード・グレードで低い消費電力を提供します。
- Spartan-3L デバイスのスタティックな消費電力値は、Spartan-3L データ・シート v1.0 の静止電源電流特性をそれぞれ 3つの電源電圧で乗算し、各値を合計して計算されています。
図 3. Cyclone II vs. Spartan-3L スタティック消費電力の比較

注:
-
PLL と DCM の比較は図 3 で示していません。
ダイナミックな消費電力が半分
Cyclone II の消費電力データは、Cyclone II デバイスのダイナミックな消費電力は、競合する 90nm 低コスト FPGA のダイナミックな消費電力の半分以下であることを示しています。図 4 はこの比較結果として、同等なリソースを利用した場合の Cyclone II、Spartan-3、および Spartan-3L デバイスのダイナミックな消費電力を示しています。アルテラとXilinxそれぞれのデバイス比較には Cyclone II PowerPlay Early Power Estimator バージョン1.0 および Spartan-3 Web Power Tool バージョン4.1.1 消費電力見積りツールをそれぞれ使用しています。表2で示すプロセス、電圧、そして温度条件を適用した結果を以下に示しています。
図 4. Cyclone II vs. Spartan-3 & Spartan-3L ダイナミックな消費電力の比較

イン・ラッシュ電流がゼロ
Cyclone II デバイスでは、パワーアップ中にイン・ラッシュ電流によるスパイクは発生しません。パワーアップ中には電流が徐々に上昇するため、特別なパワーアップ時の電流要件は必要ありません。 デバイスのパワーアップ中、Cyclone II FPGA への電流(電源から供給される)は、ICCINT standby の安定状態レベルまで徐々に増加します。 ICCINT standby レベルではスタティックな電力のみ消費されます。 パワーアップ中、Cyclone II デバイスの電流は徐々に増加するため、パワーアップ時の電流要件はスタティック消費電力の場合と同じです。
Cyclone II デバイスとは異なり、Spartan-3 デバイスにはイン・ラッシュ電流ゼロを実現するためにいくつかの制約があります。 Spartan-3 デバイスの場合、イン・ラッシュ電流をゼロにするには特定のパワー・アップ・シーケンスが必要で、システム設計者はコア電圧および I/O 電圧の前に余分な補助電圧を印加しなければなりません。 Cyclone II デバイスには、パワー・アップ・シーケンス要件はありません。
ホット・ソケットに完全に対応
他の多くのアルテラ・デバイスと同様、Cyclone II はホット・ソケットに完全に対応しており、システムの動作中にシステムやボードに悪影響を与えることなく、ボードをシステムに取り付けたり、システムから取り外したりすることができます。 ホット・ソケットは、「ホット・スワッピング」や「ホット・プラグイン」ともいいます。
デバイスがホット・ソケット可能であると判断するには、以下の基準を満たす必要があります。
- パワーアップ前にドライブされても損傷を受けない
- パワーアップ前またはパワーアップ中にドライブ・アウトしない
- デバイスの I/O ピンへの外部入力信号がデバイスの内部パスを通して VCCIO または VCCINT 電源に供給されない
Spartan-3、Spartan-3L、そして Spartan-3E はホット・ソケットに対応していません。
アルテラ・デバイスでのオン・チップ・ホット・ソケット・サポートの利点に関する詳細は、「Altera Hot-Socketing & Power-Sequencing Advantages 」ホワイト・ペーパを参照してください。 また、詳細な特性評価データについては、「Hot-Socketing & Power-Sequencing Feature & Testing for Altera Devices 」ホワイト・ペーパを参照してください。
必要な電源数が少ない
Cyclone II デバイスは、Spartan-3、Spartan-3L、および Spartan-3E よりも必要な電源数が少なくてすみます。
この特長により、エンジニアは多数の利点が得られます。
- ボード・サイズ - 使用する電源数が少ないため、ボード・スペースを広く確保できます。
- ボード・コスト - 余分な電源コストやボード・デザイン・コストを削減できます
- ボードの複雑さ - 使用するパワー・プレーン数が少なくなり、パワー・シーケンス問題が単純化されます。
低消費電力化のための手法をふんだんに取り入れたデバイス
Cyclone II デバイスは、TSMC の 90nm プロセス・テクノロジに基づいて製造されています。 アルテラは TSMC と緊密に連携し、性能を低下させることなく、プロセス・ノードを最適化して低消費電力を実現しました。 表 4 に、低消費電力アプリケーションを設計するために考慮した手法のいくつかを示します。 また、これらの手法が Cyclone II と競合製品で使用されているかどうかも示しています。
| 表 4. 低コスト FPGAにおける低消費電力化の手法 | |||||
|
特長 |
Cyclone II |
Spartan-3 |
Spartan-3L |
Spartan-3E |
顧客の利点 |
|
低いコア電圧 |
あり |
あり |
あり |
あり |
電圧を低くすることにより、ダイナミックおよびスタティック消費電力を低減 |
|
Low-k 誘電体 |
あり |
なし |
なし |
なし |
ダイナミック消費電力を10%低減し、 |
|
イン・ラッシュ電流がゼロ |
あり |
なし |
なし |
なし |
パワーアップ・シーケンスが不要で、 |
|
ホット・ソケット |
あり |
なし |
なし |
なし |
システムの動作中にシステムやボードに影響を与えることなく、ボードをシステムに挿入したり、システムから取り外したりすることができる。 |
